「徳川家康に学ぶ健康法と漢方」と題しまして、健康寿命つぃて有名な徳川家康の健康法と漢方の知識を学ぶ会を令和3年1月28日(木)10時から12時まで蒲原生涯学習交流館ホールで行います。どうぞよろしくお願い致します。
漢方通信
体温が高いだけでは妊娠しない?
日本の植物の多くは、春に種まきをします。植物の種をとってすぐ、秋に種まきをする場合は種を冷蔵庫に数日間入れて「冬越し」をさせます。なぜかというと植物の種はいったん低い温度の冬を経験しないと、きちんと発芽せず腐ってしまうからです。
人間も同じで、排卵する前にきちんと体温が下がることが大事! 基礎体温は高温期があり、温期があり、排卵日に体温がいったん下がって、また高温期に……というリズムで変化します。しかし不妊でご相談にいらっしゃるかたは、こうした基礎体温のメリハリがないことが多いのです。特に体外受精をなさっているかたは、おそらく薬の影響だと思うのですが、高温期だけということも少なくありません。また、仕事などさまざまなストレスがあると交感神経が優位になります。交感神経が優位だと毛穴は閉じ、血管も閉じぎみになるので体内に熱がこもり、体温が上がりっぱなしになります。
逆に副交感神経が優位になると、毛穴も血管も開いて熱が体外に出て、体温が下がります。基礎体温にメリハリをつけるためにも、この交感神経と副交感神経のスイッチの切りかえがじょうずに行えることが大事です。
体温にメリハリがないかたには、乾布摩擦がおすすめです。乾布摩擦は交感神経・副交感神経の切りかえをスムーズにするよい刺激になります。また、冷暖房に頼りすぎず、自分の体が持っている力で体温調節できるようにするのもよいでしょう。
食事、運動、オンオフ、生活全般にメリハリを
現代人の多くは「正午になったから、そろそろ昼食だ」というように、時間を目安に食事をっているのではないでしょうか。仕事の都合などである程度はしかたないかもしれませんが、できれば食事は本当におなかがすいたときにとってほしいと思います。本当に空腹であればおいしく食べられますし、ホルモンや生命力をアップさせる物質などもよいタイミングで分泌されます。
そしていつもお話しすることですが、運動も大事。動くときはしっかり動いて、休むときはきちんと体を休めてリラックスしてください。
体によいとされていることでも、あまり無理をしすぎる、極端に走りすぎるのは心身を緊張させるので、よくありません。不妊治療をがんばりながら趣味を楽しむ、平日は仕事で忙しいなら休日は好きなことにチャレンジしてみる、など日常でも交換神経と副交感神経がうまく切りかえられるような、メリハリのある生活を楽しめるといいですね。
人間は陰と陽、虚と実の間を常に揺れ動いているもの、と漢方では考えます。どちらかに留まる・傾くではなく、陰に近いときもあれば、陽に近いときもある、とメリハリのある生活を送ることが大事なのです。