血糖値に注意しなければいけないのは、糖尿病の方だけだと思っていませんか?その一口、もしかしたら急激な血糖値の上昇をまねいているかもしれません。
最近やたら眠い、集中が続かない、イライラする、吐き気、頭痛があるといった方は、もしかしたら血糖値の大きな変動が起きている可能性があります。血糖値の大きな変動がなぜいけないかと言うと、血糖値を整えるインスリンがでる場所「膵臓」に負担がかかってしまうからです。負担がかかると、インスリンの出方が悪くなったり、インスリンが効きにくい状態となり、その結果、糖尿病になってしまいます。糖尿病は、腎臓、目、神経なども壊してしまう恐ろしい病気です。
血糖値を急激にあげないための食事法として、食べる順番が大切です。①サラダ、海藻、キノコ類→②肉、魚、豆類、卵→③ご飯などの糖質類の順に、ゆっくりよく噛んで食べることで、血糖値の大きな変動を抑えることができます。
漢方薬では、八味丸や白虎加人参湯、柴胡桂枝乾姜湯などが使われます。八味丸は、「消渇、小便すること反って多し(金匱要略)」の条文、つまり飲んだ水がそのまま小便として出て、内が潤されず、喉が乾く者に使うという応用で、糖尿病に使われます。ただし、漢方薬は証を合わせること(体質にあったものを選ぶこと)が大切なので、自己判断で飲まないようにして下さい。
糖尿病に、山芋がよいというお話があります。これは、山芋に含まれるレジスタントスターチという物質が血糖を上がりにくくすると言われています。そして、面白いことに、八味丸の中にも実は、”山薬”(山芋)が含まれています。山薬は、八味丸の中の地黄と手を組んで、熱感、口乾、疲労を治します。昔から使われている生薬が、現代の研究でも同じようによいとされているのは、面白みがあります。
大澤真以