徳川家康公の漢方・講演会を終えて

2021年11月18日静岡県清水区折戸生涯学習交流館にて、「徳川家康公の健康法に学ぶ」を開催いたしました。

歴史のお話が多くなり興味がない方には少し退屈のところがあったことをお許しください。最後までお聞きいただき感謝しております。

  令和3年度「徳川家康公の健康法を学ぶ」アンケート集約表
2021/11/18
1.①今回の講座の満足度は?
 満足やや満足やや不満不満未記入
人数1011   
48%52%0%0%0%
  ②今回の講師はどうでしたか
 良かったふつうあまり良くなかった良くなかった未記入
人数183   
86%14%0%0%0%
  ③今回の講師が行った講座内容はどうでしたか
 十分理解したまあまあ理解したあまり理解出来なかった未記入 
  ・体操講座 ・認知症予防関係 ・ちぎり絵 ・寄せ植え …各1人人数417   
  ・歴史講座 ・音楽鑑賞 …各2人19%81%0%0%0%
2.講座や講師の感想をおきかせください。
 ・高齢になるといろんな薬を飲みはじめますが、薬は人間にとってあまり良いとは思わ
  ない、病気を治す為に薬を飲むというがやはりあまり薬は飲みたくないです。よく食
  べて運動をして体を大切にするべきだと感じました。
 ・健康で元気に生活する為の良いお話しが聞けて良かったです。
 ・とっても勉強になりました。ありがとうございます。
 ・大変参考になりました。
 ・わかりやすくお話しくださいました。
 ・また、お話し伺いたいです。
 ・難しかった

内容を少し・・・

徳川家康公の健康法を学ぶ

令和3年11月18日(木)13時30分から15時30分まで 清水区折戸生涯学習交流館

江戸時代で75歳まで健康で長生きをし、子沢山に恵まれた家康公の秘訣は、

  • 鷹狩りで足腰を鍛え、(運動)
  • 麦飯を良く噛んで歯を鍛え、(食事)
  • 秘伝の漢方薬を自ら作り、のんでいたこと。(漢方薬)

世の中の平均寿命が40歳以下の時代、75歳は今で言う110歳以上に相当します。その秘訣が運動であり、食事であり、漢方薬でした。そのことは、東洋医学的に全て、「(じん)」の働きを強くしていくことに結びつくのです。

家康公が愛用していた漢方薬が数種類あります。薬を入れる箪笥の八番目に入れてあったのが八之字という名の漢方薬でした。家康公はその薬を、600年前の中国、宋の時代の医学書から見つけ出しました。宋の国の八代皇帝「徽宗」がまとめた医学書、太平恵民和剤局方にでてくる無比山薬円のことです。

(後に、三宅意安が自分の著書「延寿和方彙函」のなかで正式に「八之字」と記しています。)

また、無比山薬圓(=八之字)は、宋の時代から遡ること500年前、漢時代の医学書「金匱要略」の中の八味地黄丸を参考にして作られました。

八味地黄丸は、腰痛、前立腺肥大、高血圧症、低血圧症、老人性白内障、糖尿病、貧血、夜尿症、疲労倦怠、精力減退、動脈硬化症、脳梗塞、脳血管障害の後遺症、腎炎、腎臓結石、頻尿、等等、ご年配の方には、力強い味方なのです。

よく「老化は、足から始まる」とよく言われます。この事を東洋医学では、「腎虚」といっています。腎とは腎臓のことですが、生殖機能や、腰から下の機能も含まれます。ですから、腎炎や前立腺肥大、腰、膝の痛みも腎虚になるわけです。虚とは、空っぽという意味です。何が空っぽなのか?それは元気、気力です。親から頂いた「先天の気」と、空気や食べ物から取り入れた「後天の気」が腎にたまって生きるエネルギーとなるのです。よって長生きの秘訣は腎を強くすることです。

家康公は、

  • 東洋学的な考えをいち早く情報収集して尚且つ実践した方なのです。

余談になりますが、家康公の情報収集は漢方薬を学ぶためだけでなく、宋の皇帝の政治思想も学んでいました。それは、乱世により傷ついた国民を救済する施設を作ったことです(施薬院)。また、唐の時代の書物「貞観政要」や、鎌倉時代の記録書「吾妻鏡」からは、政治のあり方を学んでいたと言われています。