44歳女性
昨年より、不眠気味。寝つきは良いが、2~3時間ですぐに目が覚め、それから明け方まで眠れなくなる。特に秋口や春先などの季節の変わり目になると悪化する。また眠れないときは血圧も上がる。
性格的には神経質で物音などにも敏感に反応する。また、イライラしやすく短気で、職場などで周りに気を使いすぎ、ストレスを溜めやすい。時々まぶたがぴくぴくとケイレンすることがある。
漢方薬の抑肝散(よっかんさん)を処方。飲むと2~3日で明け方まで眠れるようになる。それ以来、眠れないようになると、抑肝散を飲むようにされている。
抑肝散は、身体の緊張をほぐし、自律神経のバランスを安定させる。神経質でせっかちなタイプは、知らない間に身体が興奮状態におちいり、夜眠りが浅くなったり、血圧が上がったりすることがある。そういう場合に、抑肝散はよく効く。また、歯ぎしりにもよく効く薬である。
【糖尿病と漢方薬】
漢方では、単に血糖を下げるのではなく、からだ全体のバランスを考えて薬を作ります。例えば、すい臓が弱っているときには、すい臓の働きを助けるものを 使ったり、からだの新陳代謝(糖代謝)が落ちているときには、新陳代謝を高めるものを使ったりします。また、症状によっても薬を使い分け、のどの渇きが激
しい人には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、夜間の小便が近い人には、八味丸(はちみがん)というふうに使い分けます
【通風と漢方薬】
痛風は、血液中に尿酸が増え、親指の付け根(関節)に激しい痛みと腫れを起こす病気です。漢方では、体質により薬を使い分けます。例えば、食べすぎ飲みす ぎでお腹がはって便秘しやすい人には大柴胡湯(だいさいことう)を使ったり、神経質で疲れやすく、首から上に汗をかきやすい人には柴胡桂枝乾姜湯(さいこ
けいしかんきょうとう)を使ったりします。
【高脂血症と漢方薬】
コレステロールや中性脂肪が高い場合、漢方では、血の循環をよくして、新陳代謝(脂質代謝)を高めたり、大便の出をよくしたりします。ただ、むくみがあっ たり、蛋白尿が出たりする場合は、ネフローゼ(腎臓病)の可能性もあるため注意が必要です。漢方では、柴胡(さいこ)の入ったものをよく使用します。