生後、半年ぐらいが経った頃、ひじの内側と首の辺りにアトピーができはじめ、ステロイド軟膏を塗っていたが、幼稚園になったころからひどくなり、顔やひざの裏にもできるようになったため、漢方で体の中から改善しようとご来局された。体質的には、特に大きな問題はなく、胃腸も丈夫で食欲はある。顔は赤くのぼせやすく、汗はあまり出ない。手足は冷たくなりやすい。
漢方薬の柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を処方。飲みはじめて1ヶ月が経った頃、顔や腕にひどくアトピーが出た。漢方ではこれをメンゲン反応と呼ぶ。メンゲンとは、体の中に溜まっている毒を体外へ排出させることをいう。ステロイドが、痒みや炎症を外から抑えるのに対し、漢方薬は体の中の毒素を排出させて根本的な治療をする。その後、アトピーの出方は弱くなり、出たり出なかったりを繰り返しながら少しずつ良くなっていった。そして3年が経った頃、アトピーは完全にきれいになり、それからはもう出ていない。