子供の腹痛と漢方薬(7歳男児:身長116cm体重21kg)

小学校に入学した頃から、お腹を壊しやすくなった。特に学校に行く前になるとお腹が痛くなり、ひどいとまれに吐くこともある。休日は比較的良い。病院でもらった整腸剤なども飲んでみたがあまり効果が無く、漢方をやってみようと来局された。

顔色は色白で気弱な感じ。風邪も引きやすく、一度引くと長引くことが多い。乗り物酔いをしやすい。ジュース類など水分を多く摂り、食欲は食べるときと食べないときのむらがある。

漢方薬の小建中湯を処方。味は飲みやすいようで好んで飲むと言う。1ヵ月後は、あまり変わらなかったが、飲み始めて3ヶ月が経ったころから腹痛が減り始め、吐くことはほとんどなくなった。また、1年が経過した頃より腹痛はほとんどなくなり、食事も前より多くなって風邪も引きにくくなっているとのこと。現在も服用されているが調子は良好と言う。

子供の腹痛は、生まれつきの体質にも起因するが、精神的な緊張感なども大きい。小建中湯は、お腹の筋肉を柔らかくして、緊張による腹痛を改善すると共に、体を温めて”気”をめぐらし、風邪を引きにくくしたり、虚弱体質を改善する。

子供の鼻づまりと漢方薬(7歳男児:身長120cm体重19kg)

1~2年前より鼻がつまり始めた。いつも鼻を鳴らし、口を開けている。鼻水はかんでも出なく、時々鼻血が出ることもある。なるべく抗生物質などの薬を飲ませたくなかったので、漢方薬をためしてみようと来局された。

顔色は、目の下にクマがあり、少しボーッとした感じ。鼻がつまっているため呼吸も苦しそうである。また、食欲はあるが太りにくく、水分をよく摂るとのこと。大便は2日に1回。汗っかき(寝汗もあり)。乗り物酔いをしやすい。

漢方薬の黄耆建中湯を処方。飲み始めて2週間後、大便が毎日あるようになり、鼻のとおりも少し良いという。さらに同処方を2週間後。鼻のとおりが次第に良くなっていき、目の下のくまも減って、顔色も良くなっている。それから約1年間服用。その後は鼻がつまることもほぼなくなった。