1年前に風邪を引いてから鼻炎と喘息が出るようになった。症状は、鼻水と咳で、時々ヒューヒューゼーゼーと喘鳴が起こる。特に夜中から明け方に多く、病院でもらった内服薬を1日1回服用し、吸入ステロイドを使うと発作はおさまる。ただ薬を長く服用していくのに不安もあり、友人に漢方薬で体質改善をやってみたらと勧められ御来店された。
体質は、鼻炎と喘息以外特に問題は無く、活発で健康である。声は鼻声で鼻がつまったような感じがあり、時々喘鳴が聞こえる。のどは渇きやすく、冷たいスポーツドリンクをよく飲み、冷たい牛乳も好む。胃腸は丈夫で、大便は1日1回、小水も問題は無い。
漢方薬は、小青竜湯合麻杏甘石湯(小生りゅうとうごうまきょうかんせきとう)を処方し、冷たい飲み物を極力減らして、牛乳も温めて飲んでもらうようにお伝えした。飲みはじめて2週間後、はじめに鼻水がたくさん出たが、その後、鼻の通りがよくなったという。それからさらに2週間、咳がだんだん出なくなり、ゼーゼーと言う喘鳴も聞こえなくなっている。それから約3ヶ月服用すると、喘息発作は出なくなったので、抗ヒスタミン剤の服用を止めてみたが、それからも発作は起こらず、鼻水もほとんど出ないという。
漢方では、冷たい飲み物は気管支や肺、胃に”水毒”をため込み、この水毒が喘息や鼻炎の原因となると考える。小青竜湯合麻杏甘石湯は、水毒を取り除くことで、喘息や鼻炎を治す薬である。