十二指腸潰瘍と漢方薬(27歳男性:身長172cm体重65kg)

2年前より右の腹部に痛みがあり、十二指腸潰瘍と診断された。病院で処方された胃酸を抑える薬と粘膜を保護する薬を服用。痛みは軽減されたが、胃のむかつきや胃もたれ、ゲップなどの不快感があり、漢方薬を試してみようと来局された。

体質は、イライラしやすい性格で、背中の張り(特に右側)、肩こり、首こりが強い。食欲はあるが食べた後に倦怠感が出る。大便はほぼ毎日で軟便のことが多い。

漢方薬の柴胡桂枝湯を処方。飲み始めて1ヶ月後、背中の張りが和らいで、むかつきやゲップの回数が減ったという。そのまま継続してもらい、3ヶ月が経った頃には胃の不快感はほぼなくなったので、病院で処方された薬を止めてもらったが、その後も調子は良いという。

ご老人の便秘と漢方薬(70歳女性)

1年前より便秘になり始めた。病院でもらった下剤を飲んでいたが、次第に効かなくなり、市販の下剤を飲むと、腹痛が起きて下痢になる。センナの粉末を飲んでみたが、やはり腹痛がある。

体質は、血圧が高めで、薬を飲んでいる。肌はガサガサ乾燥しやすく、小便は近い。大便は硬くてコロコロとしていることが多い。

漢方薬の麻子仁丸料を処方。飲み始めて2日後から大便が出るようになり、下痢もせず腹痛も起こらない。漢方薬を飲んでいると大便は毎日あると喜ばれ、現在も継続して服用されている。