4~5年前より、腹痛、下痢をしやすくなった。大便は日に1~3回で、腹痛がひどくて水様性の下痢のこともあるという。市販の下痢止めや整腸剤を飲んでいたが改善がみられず、漢方薬を試してみたいと来局された。
顔色は白く、貧血様顔貌(がんぼう)。疲れやすくて、お腹にガスが溜まりやすい。いつもお腹が張っている感じがするという。以前はアイスクリームやゼリーなどの冷たいものを好んでいたが、今は気をつけているという。生理は順調で、生理痛はある。手足は冷えやすい。
漢方薬の大建中湯と人参湯を1日おきに処方。飲み始めていくと、次第にお腹が温まり、ガスがたくさん出て、腹痛、お腹の張りが改善。大便も固まってきたという。約1年間飲み終えた頃には下痢はすっかり無くなり、ガスも溜まらなくなった。これで安心して外出できると喜ばれていた。
3年前に、胃痛、胸焼け、ゲップが出るようになり、病院へ行ったら逆流性食道炎と診断された。現在は病院で処方された胃酸を抑える薬を飲んでいるが、最近、胃もたれや吐き気なども感じるようになり、漢方薬を試してみようと来局された。
顔色は悪くないが、目の下にクマがあり、昼食後に眠くなるという。また、足が冷えやすく、背中が痛くなることもある。大便は2日に1回、時々下痢をする。生理は順調で、生理痛も軽い。
漢方薬の茯苓飲加半夏(ぶくりょういんがはんげ)を処方。飲み始めると、はじめ臭いのくさい大便がたくさん出たというが、その後それは無くなり、毎日通じがあるようになったという。また、胸焼けや吐き気も次第に無くなり、飲み始めて3ヶ月経った頃には、胃の調子もほぼ改善されたため、病院の薬を止めてみたが、その後も悪化することなく順調な経過をたどっている。