下痢と漢方薬(28歳女性:身長158cm体重46kg)

3~4年前より下痢をしやすくなった。ひどいときは食べる度に水っぽい下痢が出る。また、お腹が痛くなりやすく、張ってガスもたまりやすい。病院で検査をしたが特に異常は無く、処方された整腸剤を飲んでいる。最近下痢のために食欲も低下気味である。

体質は、もともと胃腸が丈夫なほうではなく、冷え性で貧血気味である。また、食後に手足がだるくなり疲れやすい。漢方薬の六君子湯(りっくんしとう)を処方。飲み始めて1ヵ月後には、大便が徐々に硬くなっていき下痢ではなく形が出来てきた。その後も継続していかれると、次第に下痢は無くなり、大便は1日1回と正常になり、食欲も出てきて普通に食べられるようになった。

漢方では、単に下痢を止めるのではなく、胃腸の働きを改善していくことで下痢にならない体質に改善する。この方の場合、胃腸に”水毒(すいどく)”がたまり、それが原因で胃腸の働きが低下して下痢になっていたと考えられる。六君子湯は、胃腸の水毒を取り除くことで体質を改善していく薬である。

ガスが溜まりやすい人の漢方薬(17歳女性:身長166cm体重55kg)

高校生になった頃から、ガスが溜まりやすくなった。学校ではいつも我慢しているため、お腹が張っている。また、緊張するとお腹をこわすことがあり、特にテスト中が良くない。

性格は、おとなしく、まわりに気を使いやすい。生理は順調だが、生理痛はひどいときがあり、そのときは鎮痛剤を服用する。また、普段から便秘したり、下痢になったりすることもある。足の冷え、肩こり、たまに頭痛あり。乗り物酔いもしやすい。また、甘いものが好きで、アイスクリームなどもよく食べる。

漢方薬の小建中湯(しょうけんちゅうとう)を処方。飲み始めると、初めの1週間はガス(おなら)が頻繁に出たが、その後おさまり、大便も毎日出るようになった。また、1ヶ月が経った頃からガスが溜まりにくくなり、お腹の張りもなくなった。現在も服用中だが、試験中にもお腹を壊さなくなり、生理痛もなくなったという。