痔と漢方薬(37歳女性:身長156cm48kg)

2~3年前よりイボ痔が出始めた。初めの頃は、手で押さえれば中に引っ込んでいたが、最近はなかなか戻らない。特に辛いものを食べた後や下痢をした後に悪化する。市販の塗り薬を塗っても治らないので、漢方薬局で相談してみようとご来店された。

体質は、胃腸が弱く、脂っこいものを食べ過ぎると下痢をする。痔は下痢をした後が特に悪い。ひどいときは出血や痛みを伴う。また、冷え性で、生理不順(40~60日周期)もある。その他、肩こり頭痛あり。コーヒーは日に3杯。

漢方薬は、せんじ薬で当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)を処方し、患部には紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらうことにした。2週間後、痔が引っ込んだという。また、紫雲膏をつけるとすぐに痛みが取れるとのこと。そのまま継続してもらうこと約半年が経過。今では痔は全くでなくなり、冷え性も改善されて、生理も順調(30日前後)にあるという。

漢方では、痔は肛門付近の血行不良が原因で起こると考えている。この方の場合も、平素から腸が弱く、生理不順もあることから、お腹が冷えやすく、肛門部での血流が悪かったと考えられる。当帰建中湯は、お腹から肛門部にかけての血流を改善するため、痔と生理不順が同時に治ったと考えられる。

食欲不振と漢方薬(25歳女性:身長159cm体重41kg)

2年前より仕事のストレスが原因で食欲不振になり、50kgあった体重も41kgになった。みぞおちの辺りはいつも重苦しい感じで、食後は胃がもたれる。また昼食後は倦怠感に襲われ眠くなる。また、やせてから冷えがひどくなり、手足は年中冷たい。生理も来たり来なかったりで、時々少量の出血が止まらなくなることもある。大便は1週間に1~2回。小便は近い。

漢方薬の六君子湯(りっくんしとう)を処方。飲みはじめて1ヶ月が経つと、徐々に食欲が湧いてきた。さらに続けること3ヶ月、朝ごはんも食べれるようになり、体重も2kg増えた。大便の出も良い。引き続き漢方薬を服用し、体重が45kgになった。そしてその頃から生理も1ヶ月に1度ちゃんと来るようになった。