下剤で腹痛がある便秘と漢方薬(15歳女性:身長158cm体重48kg)

中学生になった頃より便秘気味になる。市販の便秘薬を飲むと、お腹が張ったり痛くなり下す。またガスが溜まりやすい。知人に漢方薬を勧められ、来局された。

体質は、冷え性で寒がり、胃腸が弱く疲れやすい。生理は順調だが、生理痛はひどく鎮痛剤を必ず飲む。大便は5~7日に1回くらい。小水は近い。甘い物は好き。ニキビも出来やすい。

漢方薬の当帰建中湯を処方。飲み始めて少ししてから、2~3日に1回大便が出るようになった。下痢や腹痛は起こらず、ガスもたまらない。そのまま同処方を継続。その後、生理が来たが、生理痛も軽くなり、鎮痛剤を飲まないでも平気だと言う。また、冷え性も改善され、約1年間漢方薬を続け、便秘症は改善された。

この方の便秘は、腸の働きが落ちているために起きていると考えられる。この場合、市販の下剤を飲むと、刺激が強すぎ、腹痛を伴って下痢をする。この方の腸は、おそらく、アイスクリームやチョコレートなどをよく食べていたため、働きが悪化していたのだろう。当帰建中湯は、腸を温め、血液循環を改善し、動きを良くする。また、腸や子宮のまわりの筋肉を和らげて、腹痛や生理痛を改善する効能もある。

食欲減退、体重減少と漢方薬(36歳女性:身長160cm体重42kg)

4年前より、胃の調子が悪くなり、食欲が減退し始めた。夕方から夜になると、ムカムカし、みぞおちに痛みを感じるが、少し食べるとお腹が張って苦しいという。大便は便秘気味で、脂っこいもので下痢をする。以前は48kgあった体重が、現在は42kgまで落ちたという。また、手足は冷えて疲れやすく、気分も落ち込みやすいという。

漢方薬の香砂六君子湯を処方。飲み始めて1ヵ月後、気分が良くなり食欲が出始めたという。また、食べても以前のようにお腹も張らないという。そのまま同処方を継続。3ヶ月が経った頃には、胃の不快感もなくなり、大便も毎日出て、元気が出てきたとのこと。さらに半年後には、体重も戻り始め、もとの48kgになった。