長引く咳と漢方薬(45歳男性:身長170cm 体重84kg)

半年前に風邪を引いて、風邪は治ったものの咳だけが収まらないとのこと。病院でもらった咳止めや抗アレルギー剤、漢方薬など、いろいろ試したが治らない。咳は、乾燥した咳で、一度起こると止まらなく連続で起こる。痰は出にくく、のどの痛みは無い。体質は、もともと丈夫だが、アレルギー性鼻炎やほこりなどで咳は出やすい。舌を見せてもらうと白いコケが付いている。また、晩酌はビール1~2本/日、たばこを日に10~20本、脂っこいものや肉料理を好む。

漢方薬の柴陥湯を処方。飲み始めてしばらくすると、水っぽい痰が出始め、その後咳が収まってきた。約1ヶ月の服用で咳は出なくなった。その後も咳が出ることがあるが、この処方を服用するとすぐに収まるという。

この方の場合、酒やたばこ、肉料理など、普段から”毒”が胸部に溜まっており、これが風邪を引き金として咳をもたらしたと考えられる。柴陥湯は、胸部の毒を流すことで咳を治す。

蓄膿症と漢方薬(39歳男性:身長180cm体重75kg)

半年前に風邪を引いて以来蓄膿症(慢性副鼻腔炎)になった。ひどいとほおが腫れ、痛み、首筋も凝って頭痛がすることもある。また、鼻水はつまりがちで出にくいが、お風呂や運動などで体が温まると出てくることがあり、その膿は臭いにおいがあって、時々出血を伴う。病院で抗生物質を処方され、一時飲んだがあまり効果は見られなかった。食事は、甘いものが好きでよく食べる。酒はビールを少し飲む程度で煙草は吸わない。

漢方薬の葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)と排膿散(はいのうさん)を合わせて処方。飲み始めると、鼻づまりがとれ、鼻水がたくさん出始めた。その膿は濃い黄色で、臭いにおいの鼻血もたくさん出るという。そして、鼻水が出ると、ほおの痛みが楽になり、頭痛も減ると言う。そのまま同処方を継続していくと、鼻水は次第に出なくなり、約半年の服用で根治した。