アレルギー性鼻炎と漢方薬(24歳女性:身長158cm体重51kg)

毎年2月頃になるとくしゃみ・鼻水が出るようになり、ひどいと鼻が詰まり、耳も塞がって聞こえづらくなる。鼻炎の薬を飲むと、鼻水は少し楽になるが耳のつまりは変わらない。また、薬の副作用で眠くなるのでそれも困っているとのご相談。

体質は、冷え症で肩がこりやすく、時に頭痛がある。生理は順調で生理痛もほとんどない。性格はやや神経質で、以前も受験のストレスで、耳が塞がり、軽いめまいが起こったことがあるとのこと。また、ジンマシンも出やすい。甘い物はよく食べる。

漢方薬の小柴胡湯(しょうさいことう)と香蘇散(こうそさん)を処方。飲み始めて徐々に鼻炎は改善し、耳のつまりも取れた。それ以降、年明けぐらいから漢方薬を飲んでいると、鼻炎はひどくならずにすんでいる。また、よく出ていたジンマシンも出なくなった。

漢方薬を飲むことで、単に鼻水をおさえたのではなく、アレルギー体質そのものが改善されたと思われる。

耳鳴り、難聴の漢方薬(小柴胡湯と香蘇散)

47歳女性 身長164cm 体重55kg

1年前に急性中耳炎になって以来、ジーンという耳鳴りがする。(左右差あり。右耳>左耳)症状は体調によって左右され、疲れが溜まると耳鳴りが大きくなる。また、ひどいと耳が塞がったようになり、聞こえも悪くなる。病院の治療で、抗アレルギー剤やステロイド、内耳血管の血流改善薬などを服用するが効果は見られないとのこと。

体質(性格)面では、肩がこりやすく神経質(几帳面)で、ストレスを溜めやすい。舌を見せてもらうと、白い苔に覆われている。

漢方では、閉経間近の神経質なご婦人で、舌が白くなって耳鳴りがおきたり耳が塞がる場合、まず、小柴胡湯(しょうさいことう)という薬を処方する。これは、婦人の体は、月経血が上がり始めることで、血が血熱(けつねつ)を帯び、その血熱が、耳に上って耳鳴りや詰まり感などの悪さをするからである。もちろん、人によっては耳ではなく、のぼせ感やめまい、頭痛といった症状が出る場合もある。小柴胡湯はその血熱を冷まし改善するのである。

こちらのご婦人にも小柴胡湯を香蘇散(こうそさん)と一緒に服用していただいた。(香蘇散は、耳や頭の”気”を巡らし、閉塞感を打破します)一ヵ月後、耳のつまりは完全に無くなり、耳鳴りも小さくなった。そして約半年ぐらいで耳鳴りは改善。その後も、体調が崩れたりすると耳鳴りや耳の詰まりがでることもあるが、同処方を服用すると、すぐに改善がみられている。