35歳女性 身長164cm 体重53kg
3ヶ月前に風邪を引いて以来、咳が止まらない。のどの痛みはなく、熱もない。ただのどは乾燥している感じがあり、話をし始めたり、何か刺激があると咳が出始める。一度出始めると連続して止まらない。また、夜、布団の中で横になると連続して出る。
漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)を処方。一週間目で咳が半減し、2週間分を飲み終えた頃にほぼ消失。
この薬が効くタイプの方は、疲れやすく胃が弱い方が多い。こういうタイプの方が風邪を引いたとき、のどや気管支が荒れ、風邪はほぼ治っているにもかかわらず、咳だけが残ることがある。また、痰がのどや気管支にへばりついたようになり切れにくくなることが多い。そういう状態で麦門冬湯を飲むと、痰が水っぽくなりよく切れるようになる。
49歳女性 身長157cm 体重60kg
3~4年前より、めまいがある。特に春先や秋口などの季節の変わり目に悪化。立ち上がったときや頭を起こすとフラフラし、ひどい時は天井がくるくる回り、寝返りも打てないほどになる。性格的には神経質で、不安になりやすい。
今回も、ふらつきがあるということで、漢方薬の苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方。飲み始めてすぐに、小水がたくさんあり、ふらつきが改善。それ以降、少しふらつきがみられると苓桂朮甘湯を服用し、めまいは起きていない。
漢方では、メマイの多くを”水毒(すいどく)”と考えている。水毒とは、身体に溜まる余分な水のことで、不安やあせりが強いタイプは、水毒が頭や耳にたまり、頭痛やメマイを起こすことがある。苓桂朮甘湯は、頭に上った水毒を、小水に導くことで、メマイや頭痛を治す。