歯ぎしりと漢方薬(抑肝散:よくかんさん)

28歳女性 身長157cm体重48kg

4~5年前より睡眠時に歯ぎしりをするようになった。朝起きるとあごが疲れており、ひどいと自分の歯ぎしりの音で目が覚めることもある。歯医者でマウスピースをもらいつけて寝ているが、歯ぎしりは治らない。体質的には、肩こり、イライラ、熟睡できない、足の冷えなどがある。また性格的には気が短い、せっかち、職場では人に気を使いすぎる、などの特徴がある。

漢方薬の抑肝散(よくかんさん)を処方。飲み始めて1~2週間たった頃から良く眠れるようになり、歯ぎしりも軽減。朝起きたときのあごの疲れも無くなった。約3ヶ月飲んでから歯ぎしりはほぼ消失。それ以降は調子が悪くなると抑肝散を飲むとすぐに治るようになった。

漢方では、歯ぎしりは身体の中の”気”のバランスが崩れていると考える。性格的に生真面目だったり、せっかちで気が短かったり、または自分の思うとおりにならないことが続いたりしたときに、神経がいらだち、夜間にがりがりと歯ぎしりをしてしまう。抑肝散は、神経のいらだちをなだめ、身体をリラックスさせて”気”のバランスを整えて歯ぎしりを改善する。

メニエール病と漢方薬(小柴胡湯:しょうさいことう)

33歳女性 身長160cm体重52kg

3ヶ月前より耳が塞がり、めまいが起きる。病院での診断はメニエール病。イソバイド・メリスロン・セファドールなどの薬を服用したが改善が見られず薬局に来店された。顔色を見ると、目の下にクマがある。また若干の難聴も出ている。聞くところによると、めまいが起きる前は、仕事や子育てが忙しく、ストレスがかなり溜まっているとのことだった。

肩こりもあり、舌には白い苔がついている。こってりしたものを食べると気持ち悪くなると言う。漢方薬の小柴胡湯(しょうさいことう)を処方。2週間分を飲み終えると、めまいはほとんど起きなくなり、耳の塞がりも半減しているとのこと。引き続き小柴胡湯を服用してもらい、2ヵ月後には、めまい、耳の塞がり、難聴のすべてが改善した。その後も再発は見られていない。