偏頭痛と漢方薬(32歳女性:身長162cm体重51kg)

20歳の頃より偏頭痛があり、病院でもらった薬を飲んでいたが、最近痛みが激しくあまり薬が効かなくなってきたという。特に、天気が悪くなる前や季節の変わり目に悪化し、こめかみが割れるように痛み、吐き気やひどいと嘔吐する。体質的には、冷え性で神経質、胃弱である。また、甘いものは好きなほうで、毎晩缶チューハイなどを飲む。

漢方薬の呉茱茰湯(ごしゅゆとう)を処方。飲みはじめて1ヶ月が経過したが頭痛は起きない。これからは、頭痛が起こりそうな前兆があったときに飲んでくださいとお伝えした。その後、頭痛がしそうなときや、天気が悪い日などに前もって飲んでおくと、頭痛は起きないかもしくは起きてもとても軽いという。

呉茱茰湯は、胃を温める働きがある。この方の頭痛は、元来甘い物や缶チューハイなどを飲んでいたため、胃に余分な水が溜まり、胃が冷え、それが原因で頭痛が起きていたと考えられる。胃と頭痛、一見全く関係ないように思われるかもしれないが、漢方的に見ると、密接に関係している。よく氷などを食べたときに頭痛がするのも胃が冷えたことによるものと考えられる。

膝の痛み、静脈瘤と漢方薬(61歳女性:身長154cm体重65kg)

1年目より右足の膝が痛む。痛み止めの注射を打ってもらうと一時的には楽になるが、またすぐに痛み始める。また時々水が溜まり、病院でぬいてもらう。冷えたときや雨の日に痛みがひどくなる。

膝をみせてもらうと、痛みのある膝がかなりむくんでいる。また、膝の裏からすねにかけて太い静脈瘤が出来ている。体質は、冷え性で太りやすく、代謝が悪いという。大便は2日に1回、小水は冷えると頻尿になる。甘い物や果物を好む。

漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方。飲みはじめて1ヶ月が経つと、足のむくみがなくなり、膝の痛みも半減した。さらに1ヶ月飲んでもらうと、膝の痛みはほとんどなくなり、体重も3kg落ちた。それから継続してもらうこと約1年、膝の裏にあった静脈瘤もなくなった。