坐骨神経痛と漢方薬(40歳女性:身長154cm体重44kg)

1年前より、左の腰から下が痛むようになり、しびれを感じることもあるという。病院でブロック注射を打つと、一時は良いがすぐに元に戻る。最近、痛みがひどくなっており、漢方を試してみようと来局された。

体質は、冷え性で胃腸がやや弱く、冷えると軟便になりやすい。仕事で、立ちっぱなしや前かがみになりやすいという。肩こりあり。腰痛は、冬になると悪化するという。コーヒー日に3杯。甘い物を好む。

漢方薬の当帰四逆加呉茱茰生姜湯を処方。飲み始めて2週間で腰痛が和らぎ始め、1ヵ月後にはほぼ痛みはなくなってきた。その後は、3ヶ月ほど飲んで完治し、痛みが出始めると、すぐに漢方薬を飲めばよくなるという。

漢方では、単に痛みを止めるのではなく、身体を温め、血の流れを改善していくことで硬くなった筋肉を和らげ、痛みを治す。コーヒーや甘い物は身体を冷やすため、コーヒーは日に1杯にしてもらい、甘い物もできるだけ減らすようにお伝えした。

痔と漢方薬(48歳男性:身長170cm体重81kg )

痔の痛み。排便時や座っているときに痛みを伴い、時々出血をする。触ると、肛門から少しいぼが出ている感じで、押さえると元に戻るときもあるが、ひどいと出っ放しになるという。なるべく手術は避けたいため、漢方薬でどうにかならないかとご相談に訪れた。

体質は、がっちりとした健康体で、特に大きな病気は無いが、尿酸値がやや高く、コレステロール、血圧も高め。食べるのが好きで、肉料理やラーメンなどを好むと言う。

漢方薬の桂枝茯苓丸加大黄を処方。飲み始めて1ヶ月で、痔は引っ込み、痛みも消失。その後も同処方を継続的に飲んでおられるが、痔は出ていない。

漢方では、痔は、肛門部の血流がうっ血を起こして出来ると考える。もし手術で切除したとしても、体質を変えなければ再発する。桂枝茯苓丸加大黄は、血流を良くし、うっ血を取り除く。