39歳の女性。2年前くらいから、顔に肝斑(しみ)がたくさん出来始めたといいます。ちょうどその頃から仕事のストレスがひどくでてきたようで、夜もぐっすりと眠れなかったり、甘い物を食べすぎたりということが増えたといいます。生理は時々不正出血があり、生理痛もあって、鎮痛剤を毎回飲みます。便秘、肩こり、足の冷えがあります。
漢方薬の柴胡桂枝乾姜湯と折衝飲を調合しました。前者は、ストレスによる肝臓の疲れを改善し、不眠やイライラを改善し、後者は、瘀血(おけつ)という血液の汚れをとりのぞいていきます。飲み始めて1ヵ月後、大便は毎日出るようになって、よく眠れるようになったといいます。その後も漢方薬を継続され、半年が経った頃より、肝斑(しみ)が薄くなり始め、1年後にはきれいに元の状態に戻りました。
3年前頃から、手の指に湿疹ができるようになり、病院で汗疱と診断され、痒み止めの飲み薬とステロイドの塗り薬をもらって付けていたようですが改善されず、漢方薬で何か良いものはないですかとご相談に見えられました。
漢方では、汗疱を改善する時、痒みを抑えるのではなく、汗疱を引き起こしている原因となっている体質(アレルギー体質)を改善していきます。
この方の体質は、汗をかきやすく、寝汗も出ることがあり、足のすね辺りが冷えるといいます。また、冬になるとガサガサと乾燥肌になりやすいともいいます。汗疱は、治っては出てきて、また治っては出てきてという状態が3年間続いているといいます。
漢方薬の桂枝加黄耆湯(煎じ薬)を調合。飲み始めると、身体のあちらこちらに湿疹がでてきたといいます。見ると確かに赤い湿疹が出ていますが、痒みはないと言います。これは漢方のメンゲン反応(体内の毒素を排出させる反応)と判断し、便秘になったということもあり、応鐘散を併用してもらいました。2週間後、湿疹はすっかりと無くなり、大便も毎日出るといいます。その後も桂枝加黄耆湯を継続してもらうと、汗疱はできてもすぐにかさぶたになるようになり、次第に減ってきたと言います。それから約1年で完治いたしました。