尋常性白斑と漢方薬(22歳の女性)

23歳の女性。10代後半に、ほおのあたりに白斑ができ、病院の薬を塗っていたが、徐々に拡がってきたため、漢方薬で体質を改善してみようとご相談に見えられました。

顔色は、浅黒く、身長は162cm、体重48Kgとやせています。大便は2日に1回、甘い物やスナック菓子を好まれます。月経周期は28日前後で、月経痛はあり、鎮痛薬を1日目と2日目に服用されています。また、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、ニキビがあります。

漢方では、白斑のできやすい体質を、解毒体質と考えています。解毒体質とは、内臓(主に肝臓)の解毒機能が低下し、身体に”毒素(老廃物)”が溜まり、皮膚病やアレルギー疾患を起こしやすい体質をいいます。この方には、毒素を解毒し、内蔵の機能を高めていく漢方薬を処方しました。飲み始めて2週間後、最初ひどい下痢をして、熱が出たとのことです。現在は熱は下がり、下痢もないとのことでしたので、メンゲン反応(毒素が出て、一時的に悪く見える反応です)と考え、さらに2週間分をお出ししました。その後は、大便も毎日快便になり、ニキビや蓄膿症も改善していきました。そして飲み始めて3ヶ月目に入った頃、白斑も次第に改善していき、1年後にはきれいに元の肌に戻りました。

脇の下の湿疹と漢方薬(54歳女性)

54歳の女性。4~5年前より、毎年5月頃から8月の終わりにかけて、脇の下に湿疹が出るようになったと言います。皮膚科で痒み止めやステロイド軟膏をもらっていたのですが、次第に効かなくなり、肌も黒ずんできたため、漢方薬で何か良いものはないかとご相談見えられました。

体格は身長152cm、体重64kg とやや太っておられ、色白で汗っかきだといいます。また、疲れやすく、甘い物をよく食べ、水もよく飲むとのことです。大便は2~3日に1回、小水は日に3~4回。膝の痛みもあります。

漢方では、汗が出やすく、梅雨時(5~7月)に悪化する湿疹を”水毒(身体に余分な水が溜まる体質)”と考えています。この方には、水毒体質を改善する漢方薬を調合しました。飲み始めて1ヶ月、一時湿疹がひどく出て、その後、減ってきたと言います(漢方薬は、痒みを抑えるのではなく、体内の毒を発散させて根治させます)。また、小水がよく出て、大便も毎日出るようになったとのこと。さらに1ヵ月後、湿疹はほとんど出なくなりました。しばらく漢方薬を継続してもらい、また、梅雨時を迎えましたが、湿疹は全く出ないとのことでした。