20代の頃より、毎年冬になると足の指のしもやけに悩まされている。早いと11月頃からでき始め、3月ごろまで続く。友人から、漢方薬でしもやけが治ると聞き、ご来局された。
体質は、寒がりの冷え性。特に手足は、冬場は氷のように冷たくなる。肩こり、腰痛、頭痛あり。便秘と下痢を繰り返す。お腹の張りあり。
漢方薬の当帰四逆湯を処方。飲み始めて2週間が経つと、手足がポカポカ温まるようになり、1ヶ月が経過する頃にしもやけは出来なくなった。また、肩こり、腰痛、頭痛もなくなり、その後も1年間飲み続け、冬が訪れたがしもやけはできなかった。漢方では、しもやけは血行障害で起こると考えるため、当帰四逆湯などの血の流れを改善する薬を服用する。四逆とは、手足に血が行かないという意味で、当帰四逆湯は、それを改善する。
小児アトピー、小児喘息の既往歴があり、現在も風邪の後や季節の変わり目になると喘息が起こる。アトピーは、主に上半身がひどく、肘の内側、首の周り、顔に出ている。特に顔はひどく、赤黒く腫れぼったい感じで、黄色い汁が出るという。今までは、ステロイド剤を付けたり付けなかったりしていたが、ステロイドは肌が象のように厚くなるため、漢方薬で体質改善をしようと来局された。
体質は、胃腸も丈夫で、生理も順調。アトピーと喘息以外に大きな問題は無い。ただ、甘い物やジュース類は好み、よくのどが渇くという。
漢方薬の麻杏甘石湯と桂枝加黄耆湯を1日おきに処方。飲み始めると、一時的にひどく膿がでますよ、とお伝えした。これまでも病院で出された粉の漢方薬は飲んだことがあるが、煎じ薬は初めてだという。飲み始めること10日間、顔から汁があふれ出し、その後、軽減。1ヵ月後に御来局された際は、顔の腫れはだいぶ引いていた。その後、アトピーは次第に良くなり、喘息発作は全く起こらなくなった。現在も漢方薬を服用中。