頑固な吹き出物と漢方薬(22歳女性:身長155cm体重41kg)

中学3年生の頃から、顔に吹き出物が出るようになった。出る部位は、おでこ、ほお、あごなどほぼ顔全体。痒みは無いが、赤くなり、跡が消えにくい。一時、抗生物質を飲んだことがあるが、すぐに再発し、あまり効かなくなったので、漢方薬で体質改善をしてみようと御来店された。

見た目は、顔色が悪く、冷え性、貧血気味で、生理痛がひどいと言う。また、便秘気味で、お腹にガスがたまりやすい。甘い物は好きで、チョコレートなどをよく食べる。吹き出物は、生理前に特に多くなる。

漢方薬の当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)を処方。飲み始めて1ヶ月が経過すると、大便の出が良くなっているとのこと。そのまま同処方を継続してもらうと、だんだん生理痛が改善されてきたという。ただ、肝心の吹き出物がなかなか治らない。そこで、当帰建中湯を1度止め、当帰芍薬散合排膿散に漢方薬を変更した。すると、吹き出物は次第に出なくなっていった。そして最終的に綺麗な肌になるまで2年半かかった。それ以来吹き出物が出ることは無いという。

貨幣状湿疹と漢方薬(65歳男性:身長172cm体重68kg)

1年前より足に湿疹が出来始め、病院に行ったら貨幣状湿疹と言われた。病院でステロイド剤をもらい付けていたが、付けると痒みは収まるがまたすぐに再発し、だんだん範囲が広くなって、ひどくなってきたとのこと。

体質は、血圧がやや高めで薬を飲んでいる。また、尿酸値もやや高くこれも薬を飲んでいる。お酒は少し飲み、たばこは3年前に止めた。若い頃は、こってりした物や肉類を好んでよく食べたと言う。

漢方薬の黄連解毒湯加大黄(おうれんげどくとうかだいおう)を処方。飲み始めると、はじめのうちは下痢になり、日に2~3回通じがあったが、1ヶ月が経った頃から、皮膚の痒みが減っていき、新しい湿疹もできなくなった。その後は、次第に古い湿疹も色が薄くなっていき、約半年が経った頃には、元通りの綺麗な肌になった。

黄連解毒湯加大黄は、体の中の毒素を解毒する漢方薬である。この方の場合は、おそらく若い頃の不摂生などが蓄積し、年齢と共に腎臓などの排泄機能が落ちたことによって、毒素がたまり、湿疹と言う形で皮膚に出ていたと考えられる。