2~3年前より、脇の下の汗と臭いが気になるようになった。特に夏場がひどいが、冬でも脇の下に汗をかくため、シャツが濡れていることが多い。友人に漢方で体質改善をしてみたらと言われ御来店された。
顔色は白く、やや太り気味で、全体的に水っぽい感じがする。お腹の肉はブヨブヨとしていて柔らかいと言う。大便は2日に1回。小水は1日に5~6回。疲れやすく、足はよくむくむとのこと。また、甘いものが好きで、菓子パンやチョコレートなどをよく食べる。
漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方。飲み始めて1ヶ月は、お小水が非常に増えたと言う。それから同じ薬を継続していかれると、次第に脇の下の汗が減ってきたという。そして漢方薬を服用してから約1年がたった頃には、汗も少し出る程度になり、臭いもほとんど気にならなくなったといい、さらに体重が5kg落ちて、かなり喜んでおられた。
甘い物の摂りすぎは、体の中に水毒(すいどく)を溜め、これが脇の下の汗や臭い、または、わきがや水虫などの原因になることがある。防已黄耆湯は、この水毒をお小水に出して取り除き、種々の病を治す。体重が落ちたのも、体に溜まっていた余分な水を取り除かれたためと思われる。
昨年より、足の裏や指の間に水疱のようなものができ、病院で見てもらったら水虫と診断された。はじめは、塗り薬でよくなったが再発。飲み薬もあるとのことだったが妊婦は禁忌とあり、妊娠を希望していたため漢方薬をやってみようとご来店された。
足の水疱は非常に痒みがあり、破れると水が出るという。体質的には、冷えのぼせがあり、甘い物やこってりした物を好む。生理は順調で特に問題は無いが、時々生理痛がひどいときもある。舌の裏を見せてもらうと、静脈が紫色に浮き出ている。
漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を処方。それと塗り薬として自家製紫雲膏(しうんこう)をお出しした。2週間後、はじめは非常に痒くなり、黄色い液がでてきたが、だんだん減ってきていると言う。さらに2週間後、ジュクジュクしていた患部は乾いてかさぶたになっているという。その後、かさぶたは次第にむけはじめ、2ヵ月後にほぼ完治した。
水虫は、体質に問題があることが多く、甘い物や牛肉、スナック菓子等の食べ過ぎで悪化する。桂枝茯苓丸は、血液の毒を除き、末端での免疫力を上げる。紫雲膏は、水虫に非常に良く効き、塗り薬だけで治ってしまうこともよくある。紫雲膏は、配合されている当帰が決め手となるので、むつごろう薬局では、自家製無農薬の良質な当帰を使用している。