アトピー性皮膚炎と漢方薬(10歳男児:身長150cm体重42kg)

1年前より、突然首の周りとひじの内側、膝の裏にアトピーが出た。患部は真っ赤に炎症を起こし、ひどいとかき崩し、黄色い液が出ることもあると言う。はじめの半年は、病院でもらったステロイド含有軟膏を付けていたが、次第に効かなくなり、副作用も気になるので漢方薬で体質改善は出来ないかとご来店された。

顔色は、目の下にクマがあり、少しあさ黒い。体質は、胃腸が弱く、冷たい牛乳やこってりした物を食べると下痢をするという。また、乗り物酔いしやすく、時々鼻血が出ることもある。甘いものはよく食べ、ジュース類を好む。汗はかきやすい。それと、冬になると、肌が全体的にカサカサと乾燥すると言う。

漢方薬の黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を処方。飲みはじめて1ヶ月が経つと、赤みがひどくなり、首からは黄色い液がしたたるという。これは、漢方薬の好転反応で、体に溜まった毒(黄色い液)を皮膚に排出させ、全部出し切ればアトピーは治りますとお伝えした。それと甘いものはなるべく控えてくださいともお伝えした。さらに1ヵ月後ご来店されると、赤みが徐々に治まってきているという。また、以前よくあった下痢をしなくなったと言う。それからさらに継続すること1年半、アトピーは完全にきれいになった。

水虫と漢方薬(33歳女性:159cm50kg)

以前に一度水虫にかかり、病院で薬をもらって治したが、最近また再発した。現在は赤ちゃんを望んでいるため、水虫の薬は使いたくないと考え、漢方薬で治そうとご来店された。

右の足裏に、ジュクジュクとした水疱が出来ている。お風呂などで温まったりすると痒くなると言う。体質は、汗をかきやすく、足の裏にもよく汗をかく。甘いものを好む。

体質改善として、漢方薬の桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)を処方し、水虫に良く効く軟膏の紫雲膏(しうんこう)をお風呂上りに塗ってもらうことにした。飲みはじめて1週間くらいすると痒みが増してきたが、その後、患部がカピカピに乾き始め、皮がむけ、水疱も出来なくなっていった。約3ヶ月が経過した頃には、水疱も全く出ず、跡も無くなった。

ちなみに今回処方した桂枝加黄耆湯や紫雲膏は、赤ちゃんなどにも良く使う漢方薬で、妊娠されても特に問題は無い薬である。