皮膚の痒みと漢方薬(65歳男性:身長173cm体重71kg)

2年位前より、皮膚に痒みが出るようになった。かくと患部は初め赤くなり、その後黒っぽくなって跡が残った。場所は、初めに太ももの辺りにできたが、その後はお尻や背中、すねの辺りなど、下半身を中心に、体全体に出るようになった。病院では、痒み止めの飲み薬やステロイドの入った塗り薬を処方されたが、初めのうちは塗ると少し痒みが治まったが、最近は効かなくなってきたという。

体質は、血圧がやや高めで降圧剤を服用しており、味の濃いものや寿司などのしょっぱいものを好む。他には大きな病気はないが、最近血糖値が少し高くなって病院で注意されている。また皮膚の痒みは、お風呂上りや布団に入ったときなど、体が温まってくると悪化するという。

漢方薬の黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を処方。初めのうちは、大便が少しやわらかくなって、回数が増えたが、その後は通常に戻り、皮膚の痒みは徐々に減っていった。飲みはじめて1ヶ月が過ぎると、痒みはほとんどなくなった。その後継続すること4ヶ月、痒みは全くなくなり、皮膚の黒ずみも薄くなってきた。

顔面アトピー湿疹と漢方薬(19歳男性:身長168cm体重58kg)

ひどいアトピー性皮膚炎。来店のとき顔にタオルを当てて来られた。目の周りからは黄色い液がしたたる。それと赤みもひどくむくんで腫れている。昨年より急に悪化したと言う。病院でステロイド剤やプロトピック軟膏をもらって塗っていたという。また、体質改善ということで、粉の漢方薬も飲んでいたとのこと。

体質は、胃腸がやや弱く、便秘下痢を繰り返す。甘い物を好み、冷たい炭酸ジュースが好き。のどの渇きあり。漢方薬の麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)と桂枝湯(けいしとう)を処方。それから、甘い物の摂り過ぎに注意するようお伝えした。飲み始めると、さらに一層黄色い液が出始めたという。それは漢方のメンゲン反応(良くなるための反応)とお伝えし、毒(黄色い液)ができったら治るとお伝えした。それから1ヵ月後ご来店。真っ赤に腫れ上がっていた顔が涼しく落ち着いている。聞くと、あれからかなりの量の黄色い液が出て、顔のむくみと赤みが取れたという。そのまま継続すること約半年、顔は元通りにきれいになった。