アトピー性皮膚炎と漢方薬(21歳女性:身長167cm体重59kg)

小児の頃にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を一時つけていたが治らず、漢方薬を服用して改善した。その後、中学校卒業までは落ち着いていたが、高校卒業と同時にまた悪化し始めた。

アトピーが出ている場所は、ひじの内側から腕にかけてと、首のまわり、顔(特に目の周り)がひどい。また、膝の裏からすねにかけても出ていて、かきむしった跡がある。患部は赤く炎症しており、ひどいと液が出ることもあると言う。始めのうちは、病院でステロイド軟膏を付けていたが、なかなか治らないので、漢方薬を飲んでみようとご来店されたらしい。

身体は健康的で、生理なども順調に来ている。大便はやや便秘気味で、時々下剤を飲む。食べるものは、こってりした物を好むようで、ファーストフードやラーメンをよく外で食べると言う。

漢方薬の柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)を処方。また塗り薬として、紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらった。それと出来る限り、こってりしたものや味の濃いものを控えてもらうようお伝えした。

1ヵ月後にご来店されると、アトピーは全身でひどく炎症しており痒みが増したと言う。これは漢方特有の反応で、毒を出しているので、これからは落ち着いてきますとお伝えし、さらに1ヶ月同処方をお出しした。その後、ご来店された際には、アトピーはずいぶんと落ち着いており、痒みも減っていると言う。そのまま同処方を継続してもらうこと約1年、アトピーはほぼ出なくなり、肌の状態も良好になった。

ステロイド軟膏は、痒み(炎症)を抑えることはできるが、痒みの原因となっている”毒素”を取り除くことはできないので、こじれたアトピーをなかなか根治させることは難しい。漢方薬は、この”毒素”を排出させることで、アトピーを根治させるので、一時的にはひどく出てくるが、その後、改善されていく。

繰り返すニキビと漢方薬(35歳女性:身長153cm体重39kg)

20代の頃より口の周りからあごのライン辺りにニキビが出始めた。患部は赤く炎症が起き、治っても跡が黒く残る。1度病院で抗生物質をもらって服用したら良くなったが、またすぐに悪化した。病院の薬を続けると下痢になるため、漢方薬で体質改善をしてみようとご来店された。

体質は、胃腸が弱く、食べても太りにくい。また、冷え性や生理痛もひどく、生理前にニキビが増える。下痢や便秘を繰り返す。甘いものは好きで、菓子パンやチョコレートなどをよく食べる。

漢方薬は、まず胃腸を丈夫にする帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)を処方。それからニキビに直接塗る紫雲膏(しうんこう)をつけてもらうことにした。それと極力甘いものは摂らないようにしてもらった。1ヵ月後ご来店。ニキビが前よりもかなりひどく出ている。寝る前に紫雲膏をつけると、次の日の朝赤く腫れて膿が出ることもあるという。これは良くなる兆候だということをお伝えし、さらに1ヶ月飲んでもらった。次にご来店されたときは、ニキビの量は半分ぐらいに減っていた。それから約1年間飲み続けてもらったところ、体重が3kg増え、ニキビは全くでなくなった。

この方の場合、もともと胃腸が弱く、ストレスらによってさらに胃腸の機能が低下し、カロリーの高い甘いものなどを食べると、身に付かず、すぐに過剰栄養(毒)となってニキビになっていたと考えられる。胃腸を丈夫にする漢方薬を飲んだことで、大腸の調子も良くなり、体重も増え、ニキビが出来にくくなったと考えられる。