脇の下の汗、湿疹と漢方薬(42歳女性:身長156cm体重60kg)

以前より脇の下や股に汗をかきやすかったが、3年位前より脇の下や股に湿疹のようなものが出来始めた。病院で塗り薬をもらってつけると、一時的に痒みは治まるが、湿疹はおさまらない。特に梅雨時から夏場にかけて悪化する。

顔色は色白で、肌も白く、水っぽいたるんだ感じがある。また甘いものをよく好み、果物もよく食べる。大便は2日1回、小水は日に3~4回くらい。血圧は低めで、朝は起きづらい。

漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方。飲みはじめてすぐにお小水の量が増えた。1ヶ月が経過した頃より湿疹は減り始め、4ヶ月経った頃には湿疹は無くなった。また漢方薬を飲んでから体重が3kg 落ち、脇の下や股の汗もかなり軽減した。

この方の体質は”水毒体質”で、身体に余分な水が溜まっていたと考えられる。漢方薬を飲むことで余分な水がとれ、湿疹が減り、汗も過剰に出なくなったと考えられる。甘い物や果物は、水毒体質の原因になるので、摂り過ぎには注意が必要である。

女子顔面黒皮症と漢方薬(54歳女性:身長152cm体重54kg)

3年前に化粧品を変えてからか顔面が赤く腫れて痒くなり、その後顔全体が黒ずんだような色になった。病院でもらった塗り薬やビタミン剤を飲んだが顔色は黒ずんだまま変わらなかった。現在は痒みはない。

体質は、やや便秘気味で足が冷え、細かいことが気になりイライラしやすい。肩こり頭痛あり。食欲はある。生理は50歳の頃にあがっている。甘いものは好きでお饅頭や菓子パンをよく食べる。肌はもともと弱く、乾燥している。

漢方薬の加味逍遥散合四物湯(かみしょうようさんごうしもつとう)を処方。飲みはじめると、大便が毎日すっきり出るようになり、肩こり、頭痛が軽くなった。顔色は、始めの3ヶ月は際立った変化は見られなかったが、その後、次第に黒ずみが薄くなっていき、1年がたった頃にはほとんど元通りの肌に戻った。

漢方では、黒皮症を、化粧品や紫外線などの外的要因と考えるより、体の中に要因があると考える。この方の場合、閉経後に黒皮症を発症したということから、月経がなくなったことで、からだに瘀血(古い血)が溜まったことがきっかけになったのではないかと考えられる。今回の処方は、瘀血を取り除き、血液をきれいにしたことで、顔の肌が元のように再生されたのであろう。