アトピー性皮膚炎と漢方薬(19歳男性:身長179cm体重66kg)

2歳の頃からアトピーが出始め、当初はステロイドなどをつけていたが治らず、漢方で体質改善をしたら小学校高学年の頃に1度よくなった。ところが昨年より上京して一人暮らしをはじめてからまたアトピーが出始めた。場所は、顔が一番ひどく、それから首の周りと肘の内側にも出ており、かきむしると黄色い液が出てくるという。現在はステロイドをつけていない。

体質は、食べても太らないタイプで、大便は2~3日に1回。脂っこいものを食べ過ぎるとすぐに下痢をする。そして、疲れやすくて手足がほてる。のどは渇きやすく、ジュース類を好む。子供の頃には、よく鼻血を出し、バスなどに酔いやすかったという。また、一人暮らしをはじめてから食生活が乱れ、カップめんやジュースをよく飲むようになった。

漢方薬の帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)を処方。ジュースやカップめんなどは極力食べないようにアドバイスした。飲みはじめて2週間が経つと、顔や首の周りから黄色い液がたくさん出た。その後、1ヶ月が経過する頃には液はだんだん減り、2ヵ月後には、ほぼ出なくなった。そしてさらに1ヶ月が経過すると、アトピーはほぼなくなり、肌も元のようにきれいになった。

水疱性湿疹と肥満と漢方薬(32歳女性:身長162cm体重68kg)

以前から、わきの下や下腹など、皮膚の柔らかいところに痒みを伴う湿疹が出ていた。いつもは病院でもらっているステロイド系の塗り薬をつけたら治まっていたが、ここ一年ひどくなり、薬を塗っても治まらない。まだ数もだんだん多くなり、今では太ももやお尻にもでき始めた。とても痒くて、かき崩すと黄色っぽいような水が出てくる。

体質は、色白で汗をかきやすく、お腹の肉は柔らかくぶよぶよとしているという。また、甘いものを好み、菓子パンやチョコレートなどをよく食べる。大便は2日に1回。生理は順調である。

漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方。飲みはじめてから、お小水の量が増え、大便も毎日出るようになった。1ヶ月がたった頃には次第に痒みが軽くなり始め、3ヵ月後には湿疹もほぼなくなった。また、漢方薬を飲みはじめてからみるみる体重が減り、68kgあった体重は3ヶ月で62kgまで減った。

この方は、典型的な”水毒体質”である。水毒の方は、体に余分な水が溜まりやすく、太りやすい。また、水っぽい湿疹も出来やすくなる。甘いものは、水毒の原因になるので、摂りすぎに注意しなければならない。この方も治ったと油断して、また甘いものを食べ過ぎてしまうと、元の体質に戻ってしまうだろう。