頭部湿疹と漢方薬(33歳男性:身長168cm体重58kg )

3年前より頭部に湿疹ができ始めた。湿疹はジュクジュクしており黄色い汁が出ることもある。また、耳たぶにも湿疹はおよび、ここからも黄色い液が出る。病院で、ステロイド剤をもらい、つけると一時的におさまるが、患部がかさぶたのようにカピカピになり、その下からまた液が出る。頭皮はふけのように粉が落ちるようになっていった。だんだんひどくなってきたので、漢方で体の中から体質を改善してみようと御来店された。

体質的には、ひどい汗っかきで、ラーメンなどを食べると顔から汗が吹き出る。また、寝汗も良く出る。胃腸はあまり丈夫ではなく、食べ過ぎると胃がもたれる。好きな食べ物は、ラーメンやスナック菓子、ジュースなどをよく好む。

漢方薬の桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)を処方。また、患部に紫雲膏(しうんこう)軟膏をつけてもらう。飲みはじめて1ヶ月後、頭皮や耳から、黄色い液がたくさんでてきたが、それから次第に軽減。3ヶ月が経つと、黄色い液はほとんどでなくなった。その後も、湿疹は次第に減り、約1年で元の状態のきれいな肌に戻った。

患者さんは、脂っこいものや塩っ辛いものを好み、体に毒(黄色い液)がたまり、頭部や耳から出ていたと考えられる。ステロイドは炎症を抑えるだけで毒は取り除けない。漢方薬で、体内の毒が除かれた結果、湿疹は出なくなったと思われる。

女子顔面皮膚炎と漢方薬(30歳女性:身長157cm体重50kg)

1年前より顔に湿疹ができはじめた。ひどいのは目の周りと髪の生え際あたりで、ほおもガサガサと荒れている。痒みあり。病院でプロトピック軟膏をもらってつけたが、はじめは痒みも収まり良かったが、次第に効かなくなり肌のかさつきがひどくなってきたので、漢方薬を飲んでみようと見えられた。

聞くところによると数年前より一人暮らしをはじめ、食生活が不規則になったという。甘いお菓子もよく食べるようになったり、晩御飯もコンビニのお弁当などで済ませていたとのこと。現在は実家に帰っている。体質的には冷え性で寒がり、もともと肌は乾燥しやすい。生理不順は無いが、生理痛が時々悪化し薬を飲むことがある。

漢方薬の温清飲(うんせいいん)を処方。塗り薬の紫雲膏(しうんこう)も塗ってもらうことにした。呑みはじめて10日後、顔の肌がいっせいに赤くなり、皮がぼろぼろむけ始めた。それからそういう状態が約2ヶ月くらい続いたが、その後次第に肌がきれいになり始め、飲みはじめて4ヶ月が経った頃には肌が元通りにきれいに戻った。