60歳女性 身長154cm 体重48kg
去年の暮れより首の辺りに痒みが出る。病院で抗アレルギー剤(ジルテック)をもらい、飲むと軽減するが、完全には治らない。また、5月あたりよりひどくなり始める。体質的には、疲れやすくて神経質なタイプ。首から顔にかけて汗をかきやすい。また、人に気を使いやすく、取り越し苦労も多い。大小便に異常はなく、食欲あり。
漢方薬で、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を処方。この薬は、肝臓の働きを助け、解毒障害による皮膚の痒みを改善する。飲み始めて2~3日で少しひどく出たが、その後ジンマシンが消失。約一ヶ月で廃薬。
33歳男性 身長170cm 体重68kg
1年前より、両足に水虫ができる。患部は水疱状で痒みが激しい。甘い物や肉食を好む。また、足の裏に汗をかきやすい。
漢方薬の荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)をとん服で、紫雲膏(しうんこう)を外用(ぬりぐすり)でお出しした。飲み始めの2週間は、痒みがいっそうひどくなったが、その後、次第に軽減。3ヶ月もすると痒みは消失し、見た目もほとんど良くなってきた。それからしばらくして漢方薬を止めたが、甘い物や外食などが多くなると、また水虫が出る。その場合には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)と紫雲膏の組み合わせですぐに良くなる。
水虫は、白せん箘という細菌が原因で起こるが、漢方では、感染する人の体質に問題があると考える。甘い物や肉食は、血液を酸性に傾け、末端での抵抗力を弱めるため水虫にかかりやすくなる。糖尿病の人も水虫にかかりやすい。荊芥連翹湯は、体内に溜まった毒素(酸性物質など)を排出させ、末端での免疫力を高める。