漢方では、皮膚の病気と言っても皮膚を治すのではなく、からだの中から体質改善をして、根本から治していきます。
【アトピー性皮膚炎と漢方薬】
アトピー性皮膚炎は、からだの体質(アレルギー体質)に問題がありますので、ステロイドなどで外から炎症を抑えるだけでは根治にいたりません。漢方では、アレルギー体質を・胃腸虚弱型・肝臓うっ血型・腎虚水毒型などに分類し、体質に合わせてお薬を調合していきます。
【ニキビと漢方薬】
ニキビは、皮脂の分泌が多くなる思春期によく出ますが、ホルモン失調や寝不足、ストレス、胃腸障害などでも出てきます。漢方では、それぞれの体質に合わせたお薬を調合していきます。例えば、ホルモン失調には、血の道をよくする当帰(とうき)や古血を除く桃仁(とうにん)を使い、寝不足やストレスには、からだをリラックスさせる柴胡(さいこ)を、また胃腸障害がある場合には、胃腸の働きを良くする人参(にんじん)などを使用します。
【乾燥肌と漢方薬】
乾燥肌は、血液の循環不良により起こります。漢方では、・貧血型(血虚)・血液ドロドロ型・冷え型などに分類し、それに合わせたお薬を調合していきます。
【じんましんと漢方薬】
じんましんは、皮膚の血管運動神経の障害により起こりますが、大きく・内因性(サバやカニ、貝などの魚貝類やキノコ・タケノコなど)と・外因性(ハチ・ガ・クモなどや寒冷・熱気などの外的刺激)に分けられます。また、胃腸障害のある人にも起こりやすかったり、ストレスや寝不足から起こる場合もあります。漢方では、蘇葉(そよう)や柴胡(さいこ)等をよく使用します。
【シミと漢方薬】
漢方ではシミを”肝斑(かんぱん)”と言います。肝斑の肝は肝臓の肝ですが、肝臓は血液をきれいにする臓器です。この肝臓が疲れてくると、血液が汚れ”肝斑(シミ)”の原因になります。漢方では、肝臓の解毒機能を助ける柴胡(さいこ)や汚れた血を排出させる牡丹皮(ぼたんぴ)・桃仁(とうにん)等を使用します。
【掌跡膿胞症と漢方薬】
掌跡膿胞症は、手の平と足の裏にできる皮膚病ですが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。漢方では、からだの中に”毒”がたまって、それが出てきていると考えます。ただ、”毒”といっても抽象的なもので、水毒や血毒のことを言います。よく使う漢方薬は、三物黄ごん湯(さんもつおうごんとう)です。
【乾癬と漢方薬】
乾癬の原因は、まだはっきりしていませんが、漢方では、動物性脂肪を控えてもらうと経過が良いことが多く、お血(おけつ:汚い血、血毒)が原因であると考えます。お血(おけつ)をとる漢方薬は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)がありますが、赤みが強い場合は、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を使用します。
【帯状疱疹と漢方薬】
小さな水泡ができる帯状疱疹は、漢方では、”水毒病”と考えます。初期の場合、葛根湯(かっこんとう)をしようしたりしますが、長引く場合は、柴胡剤(さいこざい)を使用します。
【黒皮症と漢方薬】
黒皮症は婦人に多く、首や顔の皮膚が初めは赤く、後に黒っぽい褐色に変わります。漢方では、やはりお血(おけつ:血毒)と考えますので、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)をよく使用します。
【円形脱毛症と漢方薬】
円形脱毛症は、ストレスによるものが多く、漢方では、自律神経のバランスを整えていきます。最もよく使う漢方薬は、桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。