アトピー性皮膚炎と漢方薬(10歳男児:身長134cm体重31kg)

2年前頃より、肘の内側や膝の裏、首の周りを中心にアトピーが出始めた。初めの頃はステロイド剤を使っていたが、知人より副作用があると聞いて、漢方薬を試してみようと来局された。

患部は、ガサガサと乾燥しており、かいて傷になっている。夏は、汗で痒くなり、冬場は乾燥がひどくて痒がると言う。体質は、顔色が浅黒い感じでやや悪く、大便が2日に1回、小水は3~4回/日、夏場は汗っかきで、スポーツドリンクをよく飲み、アイスクリームもよく食べると言う。

漢方薬の黄耆建中湯を処方。それと、甘い物をできるだけ摂らないようお母さんにお伝えした。1ヵ月後、飲み始めて1週間位した頃から、肘の内側や首、腕の辺りにジュクジュクした湿疹が出て、今は引いてきたという。そのまま同処方を継続してもらい、アトピーは次第に綺麗になっており、浅黒かった顔色も、赤みが出てきて血色が良くなっている。その後、順調にアトピーは改善し、1年半で完全に綺麗な肌に戻った。

漢方では、アトピーを外から抑えるのではなく、身体の中に溜まった毒素が原因と考え、漢方薬を使ってその毒素を排出させる。一時的に悪くなったように見えるが、その後徐々に改善してくる。